業務用コーヒーの選び方
「良い豆」ではなく「自店に合う豆」をどう選ぶか。提供スタイル・味の方向性・原価と売価・安定供給という4つの軸で、選定の考え方を解説します。

失敗しない仕入れガイド
『正解を当てる』より『自店の答えを見つける』ための
基本的な仕入の知識を。
「正解を当てる」より「自店の答えを見つける」ための

自店の看板になる一杯をつくりたい。他店にはない味を出したい。そう考えたとき、有力な選択肢になるのがオリジナルブレンドです。
シングルオリジン(単一産地の豆)が「素材そのものの個性」だとすれば、ブレンドは「設計」。複数の豆を組み合わせることで、狙った味わいを意図してつくり、しかも安定して再現できます。原価をコントロールしやすいのも大きな利点です。
「ゼロから配合を考えるのは難しそう」と感じるかもしれませんが、基本の考え方と手順を押さえれば、方向性は必ず形にできます。このページでは、ブレンド設計の思想・具体的な手順・配合の考え方・原価設計・よくある失敗の回避策までを解説します。
単一の豆にない「バランス」や「厚み」を、組み合わせで作り出せる。
単一銘柄は不作や品切れの影響を直接受けるが、ブレンドなら一部を差し替えて味を維持しやすい。
高価な豆と手頃な豆を組み合わせ、味と原価の落としどころを作れる。
レシピは自店だけのもの。看板商品やブランドの核にできる。
一方でシングルオリジンは、豆そのものの個性や季節感、ストーリーを打ち出したいときに強みがあります。
「日常の看板はブレンド、季節や特別枠はシングル」といった併用がおすすめです。

いきなり豆を選ばず、まず「どんな一杯にしたいか」を言葉にします。
(朝の一杯/食後/デザートと一緒 など)
(すっきりした酸味/どっしりしたコク/甘い余韻 など)
(ドリップ/エスプレッソ/アイス)
例:「毎日飲んでも飽きない、ミルクにも負けない、中深煎りのバランス型。原価は◯円以内」。ここが明確なほど、後の工程が速くなります。
ブレンドは「土台+個性」で考えると組み立てやすくなります。まず全体の6〜7割を占めるベースの豆を選びます。ブラジルやコロンビアなど、クセが少なくバランスの良い豆が定番です。ここでボディと安定感の骨格が決まります。

ベースに対して、足りない要素・際立たせたい要素を補う豆を加えます。
エチオピア、ケニアなどアフリカ系
マンデリン、深煎り向きの豆
ナチュラル精製の豆
浅〜中煎りのクリーンな豆
2〜4種類程度に収めると、味の輪郭がぼやけにくくなります。
同じ豆でも、比率と焙煎度合いで印象は大きく変わります。「ベース70:個性A20:個性B10」のように比率案を作り、あわせて焙煎度合い(浅・中・中深・深)を決めます。ブレンドには、焙煎前に混ぜてから焙煎する「プレミックス」と、別々に焙煎してから混ぜる「アフターミックス」があり、後者の方が各豆の個性をコントロールしやすい方法です。

紙の上の設計は、必ず実際に淹れて確かめます。自店の抽出環境・水・機材で試飲するのが鉄則です。「もう少し酸味を抑えたい」「後味を軽く」といったフィードバックをもとに、比率や焙煎度合いを少しずつ調整。数回のサンプルサイクルを回して、納得の一杯に仕上げます。
完成したら、配合比率・焙煎度合い・使用ロットを記録し、いつでも同じ味を再現できるようにします。ここで重要なのが、ロットが変わっても味のブレを抑える品質管理。安定して同じ味を届けられて初めて、看板商品として成立します。
[ブラジル(ベース)60%+コロンビア25%+エチオピア15%][中煎り]飲みやすく毎日向き。
[ブラジル(ベース)50%+マンデリン30%+グアテマラ20%][中深〜深煎り]ミルクにも負けない厚み。
[深煎りベース70%+苦味系30%]冷えても味がぼやけない設計。
※あくまで考え方の例です。実際は狙う味と手持ちの豆に合わせて設計します。
ブレンドの強みは、原価をデザインできること。高価な個性豆は少量に留め、ベースで全体のコストを支える——この配分で、味の満足度と原価率を両立させます。看板メニューは原価をかけ、日常メニューは効率重視、というメリハリも有効です。1杯あたりの使用量から逆算し、想定売価に対して無理のない原価率に収めましょう。
豆の種類は2〜4種に絞る。「引き算」で輪郭を出す。
必ず自店環境で試飲。理論と実飲は違う。
数サイクル回す前提でスケジュールを組む。
レシピと品質管理を仕組み化。味がブレたら看板は保てない。
設計の最初から原価をセットで考える。

ゼロから設計するのが難しくても、味の方向性さえ共有できれば、配合設計はプロに任せられます。「こういうイメージ」を伝え、サンプルを試飲しながら詰めていく——この進め方なら、専門知識がなくてもオリジナルブレンドは実現できます。
DripTripでは、常時300種以上の中から相性の良い豆を選び、配合・焙煎度合いを設計したサンプルをご用意。試飲とフィードバックを重ねて理想の一杯に仕上げ、完成後はロットごとの品質管理で安定供給まで支えます。オリジナルブレンド開発から仕入れまで、ワンストップでサポートします。

「良い豆」ではなく「自店に合う豆」をどう選ぶか。提供スタイル・味の方向性・原価と売価・安定供給という4つの軸で、選定の考え方を解説します。

コーヒーの味は焙煎前の「生豆」の段階でおおよそ決まります。産地・品種・精製方法・グレードといった、仕入れの目利きに直結する基礎知識をまとめました。

自店の看板になる一杯をつくるための、ブレンド設計の考え方と手順。コンセプトの言語化から配合・試飲・原価設計までを解説します。

一年を通して同じ商品を売り続けるより、季節に合わせて提案を変えることでリピートと客単価が上がります。四季ごとの提案と販促の組み立て方を紹介します。